2005年02月09日
オールド・プルトニー12年 OLD PULTENEY 12y
ハイランドモルト「オールド・プルトニー」です。
ハイランドの最北端にある蒸留所で、オークニー島を除けばスコットランドで最も北にある蒸留所ということになります。
潮の香りも若干あり、それなりにしっかりした味です。
潮の香りを持っているのは、アイランズモルトの特長を併せ持っているということなのでしょう。
とてもいいモルトだと思います。
さて、今日このモルトを取り上げたのは、ちょっとした面白いエピソードを紹介するためです。
ウイスキーを語る上で「ブレンダー」という仕事を外すことは出来ません。
ブレンダーは、いわゆるブレンデッド・ウイスキーを造る責任者のようなものです。
このブレンダーという職業、鼻が良くないと勤まりません。
ブレンダーは、ウイスキーを飲んで調べることはせず、すべて「ノージング」と言われる作業、要するに鼻だけで作業を行うんです。
数十種類のウイスキーを全部飲んでいたら、酔っ払ってしまって仕事にならないでしょうし。
ブレンダーの仕事は、酒をブレンドするだけでありません。
数百ものモルトの樽の品質管理も大切な仕事です。
そこで、バランタインの先代のマスターブレンダー、ジャック・ガウディ氏の登場です。
この方、ものすごい逸話の持ち主なのです。
プルトニーは長い間、有名なブレンデッド・ウイスキー、「バランタイン」の7つのモルトのうちの一つでした。
ある日、ジャック・ガウディは、プルトニー蒸留所のモルトをノージングしていたとき、ある種の草のアロマを嗅ぎ当てました。
ウイスキーに草のような香りは珍しくないのですが、その匂いはもっと特殊なものでした。
ほのかな甘味、ピートの香り、海岸の潮の香り。
確かにプルトニー蒸留所の特長は備えていました。
しかし、確かにどこか違う。
ジャックは、電話で当時のバランタインの社長に報告します。
社長は、プルトニー蒸留所の品質管理の厳格さをよく知っており、いくら伝説のブレンダーの言葉でも信じることは出来ませんでした。
しかし、ジャックには確信がありました。
「プルトニーにはサクラソウが入り込んでいる」と。
ナンバーワンブレンダーとしての彼の誇りが、この謎を放置することは出来ず、ジャックは自分の頭の中の何千という記憶の中の「あり得ない香り」の中にこのサクラソウを加え、この謎を追及することにしたんです。
そして、調査チームが結成され、プルトニー蒸留所付近を調べたがサクラソウは発見されず。
そこで、チームは最後に蒸留所の水源を調べてみることに。
そしてとうとう、ヘンブリッグス湖から蒸留所に通じる水路でサクラソウの群生を発見したのです。
ブレンダーの鼻ってすごいですね。
そして、優秀なブレンダーがいるから、我々も美味しくお酒がいただけるというものです。
今日の酒の肴に、このお話いかがですか?
このお話、「酒コミック BAR レモンハート第16巻」とBAR American のバーマン・古川さんのお話を参考にさせていただきました。
PHOTO : 府中市・BAR American
この酒を購入する(楽天・輸入酒のかめや)
ハイランドの最北端にある蒸留所で、オークニー島を除けばスコットランドで最も北にある蒸留所ということになります。
潮の香りも若干あり、それなりにしっかりした味です。
潮の香りを持っているのは、アイランズモルトの特長を併せ持っているということなのでしょう。
とてもいいモルトだと思います。
さて、今日このモルトを取り上げたのは、ちょっとした面白いエピソードを紹介するためです。
ウイスキーを語る上で「ブレンダー」という仕事を外すことは出来ません。
ブレンダーは、いわゆるブレンデッド・ウイスキーを造る責任者のようなものです。
このブレンダーという職業、鼻が良くないと勤まりません。
ブレンダーは、ウイスキーを飲んで調べることはせず、すべて「ノージング」と言われる作業、要するに鼻だけで作業を行うんです。
数十種類のウイスキーを全部飲んでいたら、酔っ払ってしまって仕事にならないでしょうし。
ブレンダーの仕事は、酒をブレンドするだけでありません。
数百ものモルトの樽の品質管理も大切な仕事です。
そこで、バランタインの先代のマスターブレンダー、ジャック・ガウディ氏の登場です。
この方、ものすごい逸話の持ち主なのです。
プルトニーは長い間、有名なブレンデッド・ウイスキー、「バランタイン」の7つのモルトのうちの一つでした。
ある日、ジャック・ガウディは、プルトニー蒸留所のモルトをノージングしていたとき、ある種の草のアロマを嗅ぎ当てました。
ウイスキーに草のような香りは珍しくないのですが、その匂いはもっと特殊なものでした。
ほのかな甘味、ピートの香り、海岸の潮の香り。
確かにプルトニー蒸留所の特長は備えていました。
しかし、確かにどこか違う。
ジャックは、電話で当時のバランタインの社長に報告します。
社長は、プルトニー蒸留所の品質管理の厳格さをよく知っており、いくら伝説のブレンダーの言葉でも信じることは出来ませんでした。
しかし、ジャックには確信がありました。
「プルトニーにはサクラソウが入り込んでいる」と。
ナンバーワンブレンダーとしての彼の誇りが、この謎を放置することは出来ず、ジャックは自分の頭の中の何千という記憶の中の「あり得ない香り」の中にこのサクラソウを加え、この謎を追及することにしたんです。
そして、調査チームが結成され、プルトニー蒸留所付近を調べたがサクラソウは発見されず。
そこで、チームは最後に蒸留所の水源を調べてみることに。
そしてとうとう、ヘンブリッグス湖から蒸留所に通じる水路でサクラソウの群生を発見したのです。
ブレンダーの鼻ってすごいですね。
そして、優秀なブレンダーがいるから、我々も美味しくお酒がいただけるというものです。
今日の酒の肴に、このお話いかがですか?
このお話、「酒コミック BAR レモンハート第16巻」とBAR American のバーマン・古川さんのお話を参考にさせていただきました。
PHOTO : 府中市・BAR American
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Posted by suikyomushi at 15:00│Comments(0)│TrackBack(0)
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